エジプトで全長56.5kmのモノレールが開業

エジプトで全長56.5kmのモノレールが開業

2026-03-24 0 投稿者: mjws編集

― カイロと新行政首都を結ぶ世界最長級の都市モノレール ―

2026年3月、エジプトの首都カイロ都市圏において、全長56.5kmのモノレール路線が開業した。これは「カイロ・モノレール(Cairo Monorail)」計画のうち、ナイル川東側を走る東ナイル線であり、カイロ東部と新行政首都(New Administrative Capital)を結ぶ都市高速交通として建設されたものである。

カイロ・モノレール(Cairo Monorail)東ナイル線

この路線はカイロ東部のスタジアム駅(Stadium)から、新行政首都のジャスティス・シティ駅(Justice City)までを結び、総延長56.5km、22駅を有する。都市型モノレールとしては世界でも最大級の規模であり、開業時点では世界最長級の単一路線モノレールとして注目されている。

カイロの都市拡張に対応する新交通

カイロ都市圏は人口2000万人を超える巨大都市圏であり、慢性的な交通渋滞が大きな社会問題となっている。エジプト政府はこれを解決するため、カイロ東方の砂漠地帯に新たな首都機能を移転する新行政首都の建設を進めており、モノレールはその都市と既存都市を結ぶ基幹交通として整備された。

東ナイル線はナスルシティ、ニューカイロ、新行政首都などの新興都市を結び、通勤交通の大量輸送を担うことが期待されている。完成後の輸送能力は1日約50万人規模と見込まれている。

車両にはアルストム製のInnovia 300モノレールが採用され、4両編成の自動運転車両として運行される。列車制御にはCBTC(無線式列車制御)が導入されており、中央管制センターから運行を管理する完全無人運転方式となっている。

列車の最高速度は約80km/hで、1編成あたり約560人の輸送能力を持つ。

東ナイル線は単独の交通機関ではなく、カイロ都市圏の鉄道ネットワークと接続するよう設計されている。

スタジアム駅ではカイロ地下鉄3号線と接続し、新行政首都側ではLRT(ライトレール)と乗り換えが可能となる。これにより、カイロ中心部と新都市を結ぶ広域交通ネットワークが形成される。

将来は総延長100km規模へ

カイロ・モノレール計画は、この東ナイル線だけで完結するものではない。ナイル川西側には「6th of October Line」と呼ばれる西側路線が建設中であり、完成すればカイロ都市圏のモノレール網は総延長約100km、駅数約35駅という大規模ネットワークになる予定である。

このプロジェクトは、フランスのアルストム、エジプトのオラスコム建設、アラブ・コントラクターズによる国際コンソーシアムによって建設されており、総事業費は約45億ドルとされている。


文:モノレール・ジャパン(MJWS)編集室

MJWS(Monorail Japan Website)は、モノレールを中心とした単軌条交通の調査研究と専門情報の発信を行うメディアです。国内外のモノレールの歴史・技術・都市交通に関する情報を、現地取材と資料調査をもとに発信しています。