リニアモーターカーが及ぼす都市開発について

リニアモーターカーが及ぼす都市開発について

2021-06-19 0 投稿者: mjws編集

皆さんは「リニアモーターカー」という単語を聞いたことがありますか?
聞いたことあるけれど、よく分からないという方が多くいらっしゃると思います。
この記事はそもそもリニアモーターカーとはどのような乗り物で、都市や環境にどのような影響をもたらすのか?について紹介しています。

JR東海が開発するリニアモーターカー (c)adobe

具体的には
・そもそもリニアモーターカーとは?
・リニアモーターカーが環境に及ぼす影響
・リニアモーターカーが引き起こす都市計画

という順番で詳しくご紹介いたします。

リニアモーターカーが開通することで社会にどのような影響をもたらし、発展していくのかが分かるのでぜひ読んでみてください。

そもそもリニアモーターカーとは?
どのような乗り物?
リニアモーターカーは時速500キロ運行が可能な鉄道です。

車両に搭載した超伝導磁石と地上に取り付けられたコイルとの間に、発生する磁力によって浮上しています。

リニアモーターカーの軌道。取り付けれらたコイルが見える。(c)adobe

開通区間はどこからどこまで?
品川(東京)〜相模原(神奈川)〜甲府(山梨)〜飯田(長野)〜中津川(岐阜)〜名古屋(愛知)間を最短40分で走行します。この区間の開業予定は、2027年となっています。

2027年の開業に向けてテストが進められるJR東海のリニアモーターカー。画像は量産先行タイプのL0系 (c)adobe

また、2045年に開業予定の東京(品川)〜大阪間は最短67分となっており、東海道新幹線「のぞみ」の半分以下の時間で走行可能です。

次にこのリニアモーターカーが、環境にどのような影響をもたらすのかについて書いていきます。

リニアモーターカーが環境に及ぼす影響
リニアモーターカーから発生する二酸化炭素の排出量
乗客1人に対して、東京〜大阪間を走行する際の二酸化炭素の排出量を比較すると、リニアモーターカーは航空機の約3分の1です。
航空機と同じようなスピードを持ち合わせながら、航空機と比べて二酸化炭素の排出量が少ないのは交通機関による環境破壊を防ぎます。
つまり、リニアモーターカーは他の交通機関と比較して、エコで環境に良い乗り物と言えます。

自然に及ぼす影響

東京〜名古屋間の発掘だけでも東京ドーム45杯分の土砂が発生すると言われています。これらの土砂をどこかに仮置きしないといけませんが、処分先が決定しているのは全体の2割です。残りの8割の土砂を仮置きする必要がありますが、大雨での流出や土砂崩れを引き起こし、人の生活や土地に大きな被害を与える可能性があります。

またリニアモーターカーが通過するトンネルを建設する際に、南アルプス一帯の地下水脈が分断されることで地下水がトンネルに流れ込み、地下水や河川の現象・枯渇を招く恐れもあります。

このようにリニアモーターカーは、エコで環境に良い乗り物とされていますが、自然に大きな影響を与えている現状もあります。

最後に上記のような環境問題を踏まえ、リニアモーターカーが都市にどのような影響をもたらすのかを述べていきます。

リニアモーターカーが引き起こす都市計画

皆さんはリニアモーターカーがどのように都市に影響を及ぼすとお考えですか?

リニアモーターカーが発達すれば、都市部へのアクセスが比較的簡単になり、観光産業が盛り上がる可能性が高くなります。移動が快適になることで都市部への定住人口も増加し、それにより都市部の経済成長や公共設備の充実が期待できます。

リニア中央新幹線の都心側終点となる品川駅周辺。画像は高輪ゲートウェイ駅の工事の様子。 (c)adobe

例えば山梨県ではリニア中央線の開通によって、新幹線の新駅が開設されます。これにより観光客の増加や企業の進出が期待され、都市開発が行われると考えることができます。

一方で、地方に住む若者が都市部へ出ていくことによる「地方の過疎化」が進む恐れがあります。こうして人口の減少や地域社会としての機能を失い、さらなる都会と地方の格差が激しくなる可能性が高まります。

以上のようにリニア産業が発達することで、メリットやデメリットが多くあります。都市開発に大きな影響をもたらしてくれるリニアモーターカーが、今後日本の社会にどのような影響をもたらしてくれるのか楽しみですね。

文章/東海翔午