上野動物園モノレールの現在-営業休止の理由とは?そして今後は?
2021-08-12日本を代表する動物園であり、東京の代表的な観光スポットでもある上野動物園。
パンダの誕生など話題に事欠かない動物園ですが、園内を移動する際の手段の一つとしてモノレールが走っていることをご存知の方も多いでしょう。
上野動物園は東園と西園の大きく2ブロックに分かれており、それぞれを結ぶ移動手段として懸垂式のモノレールが整備されています。
しかし、現在はモノレールの運転は休止中。
一体なぜなのでしょうか。
今回は「上野動物園モノレールの現在」と題して、これまでの経過や運転休止に至った経緯、今後の予定などについてまとめていきます。
ぜひ、最後までお読みください。
上野動物園モノレールとは?路線や車両、現状を解説
まずは上野動物園モノレールの路線や車両について学び、現状を把握していきましょう。
上野動物園モノレールは正式名称を東京都交通局上野懸垂線といい、1957年に開業した日本最古のモノレール路線です。
ドイツのヴッパータール空中鉄道で採用されていたランゲン式を参考にしつつ、ランゲン式では鉄製だった車輪をゴムタイヤに変更しました。
この方式は世界的に見ても上野動物園モノレールが唯一であり、「東京都交通局式」「上野式」と呼ばれています。
2019年11月の運休まで運用されていたのは、2001年にデビューした4代目車両の40形。
車内は子ども連れでも座りやすいように座席の高さを低くするなど、動物園のモノレール路線ならではの工夫も見られた車両でした。
40形2両編成1本で上野動物園東園駅と上野動物園西園駅の間を往復する運行形態で、所要時間はおよそ1分30秒。
7分間隔で運転されていました。
運賃は大人150円、子ども80円。
PASMOやSuicaは利用できず、都営関連の一日乗車券でも利用できません。
このキャッシュレス時代において、昔ながらの運行手法を取っているのも興味深いですね。
そんな上野動物園モノレールですが、2019年に入って車両故障が発生。
いったん運休した後に一度運転再開したものの、車両や電気施設などの老朽化を理由として2019年11月1日で運行休止することが決定しました。
2021年8月現在も運行休止は続いており、東園と西園の移動には電気自動車での代替輸送が行われています。
運行休止が長引いていますが、どのような背景があるのでしょうか。
次は、上野動物園モノレールの運行休止が長引いている理由や今後について学んでいきたいと思います。
上野動物園モノレールは今後どうなる?運行休止が長引く理由と今後を解説
運行休止が続いている上野動物園モノレールですが、今後はどうなるのでしょうか。
東京都交通局のHPによると、「40形は2018年11月から12月にかけて定期検査を実施して安全性を確認しているものの、2001年の運行開始から17年が経過して経年劣化が顕著であることから、運行休止を決定した」とあります。
また、今後について
①国内唯一の特殊な車両であり製造に3年程度要すること
②電気設備などについても今後大規模な改修が必要であること
③動物園全体の魅力向上に向けた取り組みもしていく必要があること
という3つの課題を挙げ、車両更新およびそれに代替する手段については都民の声を聴きながら検討していく、としているようです。
上野動物園モノレールは先述の通り世界で唯一の上野式を採用しているため、車両更新に必要な時間・コストが他のモノレールと比較しても莫大であることが大きなネックとなっているのは間違いないでしょう。
とは言え、上野動物園モノレールに思い出を持っている都民がたくさんいるのも事実。
モノレールファンとしては、何とか存続してほしいものですね。
まとめ
上野動物園モノレールの現状、そして今後について学んできました。
新しい都市交通の象徴として日本で初めて作られたモノレールでしたが、現在は苦しい状況にあります。
本文でも述べましたが、このモノレールに思い出がある人は非常に多いはず。
日本初のモノレール、そして貴重な工業資料として、何とか復活を願いたいものです。
今後も動きを注視していきたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
文章/吉谷友尋
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