東京町田ロータリークラブで多摩都市モノレール町田方面延伸を講演
2022-02-26延伸計画の現状と開業までのプロセスを紹介
東京町田ロータリークラブの例会(2022年2月25日)において、モノレール専門情報サイト「モノレールジャパンウェブサイト(MJWS)」代表の田村拓丸氏が、「多摩都市モノレールの現状と町田方面延伸」をテーマに講演を行った。講演では、多摩都市モノレールの延伸構想、町田方面延伸ルートの現状、都市計画道路との関係、さらにモノレール開業がまちづくりに与える効果について、国内外の事例を交えながら説明した。

田村氏は冒頭、MJWSについて、インターネットやYouTubeを通じてモノレールに関する情報発信を行う媒体であり、モノレールをはじめとする軌道系交通システムの維持発展に寄与することを理念として活動していると紹介した。自身についても、約30年にわたり国内外のモノレールを調査・研究してきたこと、また2020年以降、町田商工会議所都市整備まちづくり委員会の活動などを通じ、多摩都市モノレール町田方面延伸の機運醸成にも関わってきたことを述べた。
講演の中心となったのは、多摩都市モノレール町田方面延伸の現在地である。町田方面延伸については、2021年12月27日に開催された第4回多摩都市モノレール町田方面延伸ルート検討委員会で延伸ルートが選定されており、町田市もその内容を公表している。選定ルートは、多摩センター方面から町田市内へ入り、野津田公園付近、町田GIONスタジアム周辺、日大三高、小山田桜台、桜美林学園、山崎団地、町田市民病院、芹ヶ谷公園付近を経て町田駅方面へ向かうルートとして整理されている。
田村氏は、町田方面延伸を考えるうえで重要なのは「モノレールそのもの」だけではなく、「導入空間となる都市計画道路の整備」であると説明した。都市モノレールは、道路と一体的に計画される都市施設であり、既存道路があるかどうかだけでなく、都市計画道路として必要な幅員や導入空間が確保されているかが大きな論点となる。講演では、町田3・3・36号、町田3・4・11号など、延伸ルートに関係する都市計画道路の意味や、番号に含まれる区分・規模・一連番号の考え方も解説された。
また、町田方面延伸ルートのうち、多摩センター側から野津田・小野路周辺にかけては、都市計画道路が未確定の区間や幅員不足の区間もあり、今後の調査・調整が重要になると指摘。一方で、東京都の資料では、選定されたB案を基本に、沿線まちづくり構想の策定など需要創出に資するまちづくりの深度化を地元市に促しつつ、収支採算性の精査などを関係者と連携して進める方針が示されている。
講演では、町田方面延伸の将来時期についても、都市モノレール整備の基本的なプロセスに沿って考察が行われた。田村氏は、ルート検討、事業化決定、ルート設計、都市計画手続き、環境影響評価、都市計画決定、事業認可、用地取得、工事着工という流れを説明し、既存の多摩都市モノレール本線や大阪モノレール延伸、箱根ケ崎方面延伸の事例をもとに、町田方面延伸が今後どのような段階を踏むかを整理した。
多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面延伸については、東京都建設局が上北台から箱根ケ崎方面まで約7,055mの延伸区間について事業内容を公表しており、都市計画決定や事業認可へ手続きが進むものとみられる。
田村氏は、町田方面延伸について、現時点で正式な開業時期を断定することはできないとしつつも、仮に事業化決定後に基本スキーム通り進んだ場合の試算として、工事着手から開業までには相応の期間を要すると説明した。そのうえで、町田方面延伸の実現には、関連道路の整備、都市計画手続き、沿線まちづくりの具体化、そして市民・地域団体による継続的な機運醸成が重要であるとした。
後半では、モノレール開業が都市にもたらす効果として、北九州モノレールの事例も紹介された。北九州モノレールは都市モノレール法を活用して整備された初期の都市モノレールであり、開業後には沿線の住宅開発や商業機能の形成が進んだ。田村氏は、モノレール単体ではなく、高規格な道路整備と一体となって人の流動を生み出すことが、沿線地域の発展につながると説明した。
さらに、町田市が示した多摩都市モノレール町田方面延伸に伴う経済波及効果にも触れ、延伸が実現すれば、交通利便性の向上だけでなく、定住人口、事業所数、従業人口の増加など、町田市の都市構造にも継続的な効果が期待されるとした。
講演のまとめとして田村氏は、町田方面延伸は2021年のルート選定を経て、導入道路や関連する都市計画道路の整備・調査が進む段階にあると整理した。多摩都市モノレール町田方面延伸は、単なる交通インフラ整備にとどまらず、町田市北部から中心市街地にかけたまちづくり、公共交通ネットワーク、沿線地域の将来像に関わる大きなプロジェクトである。今回の講演は、モノレール専門家の視点から、その現状と課題、そして実現に向けた道筋を地域関係者に共有する貴重な機会となった。


