大阪モノレール環状線構想とは

大阪モノレール環状線構想とは

2022-05-04 0 投稿者: mjws編集

大阪モノレール本線は門真市駅から東大阪市の瓜生堂駅間、8.9㎞までの区間が2029年に開業します。
詳しい詳細はまだ公表されてはいませんが、この区間以外にも延伸構想が2つルートが存在。
瓜生堂駅からさらに南へ延伸され、近鉄大阪線久宝寺口駅から松原JCTを経由して堺までの延伸させる構想があるのです。

大阪モノレール本線の最初の開業は、バブル期の1990年6月1日に千里中央駅~南茨木駅間が開業、その後も延伸され現在の門真市駅~大阪空港駅まで結ぶ路線へなりました。

大阪モノレールは1990年6月1日、千里中央駅~南茨木駅間が開業した。(c)Adobe

1990年の開業当時はデジタルCTCを完備した最新路線だったのです。
このことが仇となってしまい、中河内以南への延伸計画が無期延期凍結となりました。

今回は大阪モノレール環状線構想について詳しく紹介致します。

■堺まで延伸する案について
■大和川南方ルート
■中央環状線ルート
■大阪モノレール環状線構想はどうなるか
■大阪モノレール環状線構想について堺市は
■瓜生堂車両基地新設について

■堺まで延伸する案について

大阪モノレール環状線構想での瓜生堂駅から南海本線堺駅までの距離は約22㎞です。

大阪モノレール環状線構想  (c)MJWS 田村拓丸

もし実現すれば大阪空港駅から堺駅まで約50㎞の路線になります。
延伸区間での駅の数は不明ですが、起点駅の途中で既存の鉄道路線駅7つと接続するとのこと。
接続すると思われる既存の鉄道路線は、近鉄大阪線とJR大和路線、大阪メトロ谷町線と近鉄南大阪線、大阪メトロ御堂筋線とJR阪和線、南海高野線などです。
南海本線堺駅までの延伸計画が進むと、堺市美原区や松原市など交通のアクセスが悪かった地域に鉄道ネットワークがつながります。
地元住民にとって、かなり便利になるのでしょう。
建設費用は2000億円かかるとされ、工期は約20年と言われています。
大阪モノレール環状線構想が決定されたとしても、10年かけて部分開業になるとのことです。
全区間開業まで早くて20年程と言われています。
大阪モノレール環状線構想で堺まで行くルートは2つ存在。
大和川南方ルートと中央環状線ルートがあります。

■大和川南方ルート

大和川南方ルートは瓜生堂駅から近鉄大阪線久宝寺口駅、松原JCTを経由して大和川沿い南を西進して南海本線堺駅を目指すルートです。
大和側南方ルートが採用されたら、阪神高速道路大和川線と一部併走する可能性も考えられます。

■中央環状線ルート

中央環状線ルートは瓜生堂駅から近鉄大阪線久宝寺口駅、松原JCTから美原地区を経由して南海堺駅を目指すルートです。
図面を見ると美原地区からは新金岡、三国ヶ丘を経由しすると思われます。
瓜生堂駅から美原地区までは阪和自動車道と併走、美原地区から堺までは大阪中央環状線、ファニックス通りと併走。
中央環状線ルートは大阪モノレール環状線構想で初期計画時のルートになります。
堺市は2017年6月8日、大阪府に要望書「大阪モノレール計画の堺方面への延伸に関する要望書」を提出しました。
要望書には中央環状線ルートが延伸計画ルートとして示されていたとのことです。
大阪モノレールの延伸ルートとなっている中央環状線は、初期建設時に中央分離帯が整備されてた大通りとなります。
フェニックス通りの中央分離帯には、その名のとおりフェニックスの木が植樹されており、南海電鉄堺駅の西方付近が起点駅になる可能性は考えられるでしょう。

モノレール環状線構想の終着点として構想される南海堺駅付近 (c)Adobe

■大阪モノレール環状線構想はどうなるか

大阪モノレールの延伸計画についてですが、当初は計画があまりにも壮大で財政的に厳く、門真市駅以降の建設は先延ばしにしていました。
延伸計画は2004年に、ようやく門真市駅から瓜生堂駅間までが進み始めたところです。

門真市駅の一番線ホームは現在、降車専用ホームとなっている。 (c)Adobe

同年に近畿地方交通審議会答申第8号は、近畿圏での望ましい交通のあり方を審議。
大阪モノレールの門真市駅から瓜生堂駅までの延伸が、中長期的に京阪神圏で求められる鉄道ネットワークを構成する新路線とされました。
2012年6月に大阪府戦略本部会議は大阪モノレール延伸の検討を決定。
2016年3月には一定の公共交通ストックと魅力ある商業・観光資源の集積を最大限に活かして、都心機能の強化や関西の連携強化、観光集客などの観点で鉄道ネットワークとした路線で事業化が決定しています。
門真市駅から瓜生堂駅間の延伸工事は2019年に着工。
2029年の開通を目指しています。
延伸計画を見越してと思われますが、門前市駅付近には大型ショッピングモールや住宅地など建設が行われている最中です。

新設 松生町駅付近 パナソニック工場跡地にコストコの建設が進む。 (c)Adobe

一方、瓜生堂駅以降の堺方面への延伸ですが、堺市が要望書を提出しただけで動きはありません。
南海本線堺駅までの延伸計画の軌道を辿ると、松原市の天美地区や堺市美原区の黒山地区にある大型商業施設の建設予定地付近を走る計画になります。
現状の路線ではアクセスは悪いですが、もし延伸が実現すれば国道309号線沿いで行われている建設ラッシュにも合点がいきますし、交通の利便性は向上するでしょう。

■大阪モノレール環状線構想について堺市は

大阪モノレール環状線構想に関しての堺市の考え方は、大阪都市圏の放射状鉄道網と結びつくことで広域的な環状型鉄道ネットワークを作り上げるものとしています。
広域ネットワークや市内拠点のネットワーク形成の実現に向けての取組を進めているとのこと。
この中で広域ネットワークを作り上げるための長期的展望は、大阪モノレール堺延伸によって市東部地域や周辺都市とのアクセス向上を挙げております。
公共交通ネットワークを充実させ利便性を向上させるなどの取組を進めると同時に、公共交通の維持確保を行っていくと思われるでしょう。
交通ネットワーク整備に関わる動向を注目していくとしています。

■瓜生堂車両基地新設について

2029年の門真市駅から瓜生堂駅間の延伸に合わせ、大阪モノレールに2つ目の車両基地が新設されます。
2018年7月に大阪モノレールの延伸説明会が実施され、瓜生堂車両基地(仮称)の概要が公表されました。
開業時から使用される万博車両基地に次ぎ、2つ目の車両基地が誕生します。
瓜生堂車両基地新設について、国内モノレール営業線では初の2つ目の車両基地です。
新設場所は瓜生堂駅北側、近畿自動車道と大阪中央環状線の間の細長いスペースになります。
現在、工事が行われている最中です。

工事開始直前の瓜生堂車両基地用地の様子 (c)田村拓丸

大阪モノレール環状線構想は瓜生堂駅から南海本線堺駅間の約22㎞とのことですが、現時点でその動きはありません。
元々、延伸計画が壮大なため財政面で厳く、門真市駅以降の建設は進みませんでした。
もし環状線構想が決定しても、10年かけて部分的に開業させ、全区間開業は20年以上とされています。
全区間開業となった場合、大阪都市圏へ放射状となっている鉄道網と結びつき広域的環状型鉄道ネットワークになるでしょう。
利便性向上が期待できそうです。